不安定な自己像
人は生きていく中で、何が自分に相応しいか、何をどう考えるとすっきりするのかを学んでいきます。
こうして、成長と共に、一貫した自己像が形成されていくわけですが、境界性パーソナリティ障害の
人には、こういった一貫性のある自己像がありません。
自分に対するイメージは、日ごとに、或いは時間ごとにころころ変わっていきます。
しかも、「自分はグレーである」という部分はなく、「自分は良い人間」「ダメな人間」と、
自分に対して白黒はっきりつけたがります。
自分に対していいイメージを保っている時には、対人関係のトラブルも起こすことがなく、そのことで、
「自分は愛されている」というプラスの気持ちになり、自分に自信を持つことさえできます。
しかし、自分に悪いイメージを持つと、まるで自分が人間のクズのように思えてきます。
例えば誰かと喧嘩したあとで、一人になっても、「あれはあっちが悪いんだ」と思うこともできるかも
しれませんが、「あれくらいのことでキレてしまった私が悪い」「何でこう人とうまく行かないんだろう」
と自分を責め立てることもあります。
こうして常に自分に対する評価にこだわり、自分がいい人間か悪い人間かについて、考えを巡らせています。
このように、自分に対して一貫したイメージを持てない為、自分が描く自己像と、周りからの評価が
著しく異なることもあります。
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