現実逃避
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の存在が神からの贈り物とも思う傾向にありますが、
一方では、自分が大した人間ではない、欠点も沢山あるのだと気づいています。
問題は、それを直視できないことです。
自分の非を決して受け入れたくないので、そういう現実が突き付けられると、逃げ出してしまいます。
理想で自分を縛ることで精神バランスを保とうとしているので、現実を受け止めることで、精神の
破綻をきたすような、切羽詰まった状態になるのです。
ですから、例えば親切心で相手の欠点を指摘するような人がいても、そういう人こそが自己愛性
パーソナリティ障害の人には迷惑なのであり、そのような人を自分から遠ざけようとします。
ここまででお分かりの通り、自己愛性パーソナリティ障害の人は、本心では決して自信家ではありません。
本当に自信のある人なら、どんな現実にも対応していこうとする姿勢があるものです。
しかし、自己愛が行き過ぎると、同時に本来の自分の姿とのギャップが益々大きくなり、自分では
対処しきれなくなるので、本来の自分の姿に纏わるものを全て消し去ろうとします。
現実逃避をすることで、守りの体制に入るのです。
しかし、現実から逃げるという行動は、長くは続きません。
いちいち「事実」を突き付けられることで、心のどこかで自尊心は崩れていきます。
現実逃避を重ねることで、結果的には自己破綻を招くことになるのです。
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